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保険適用となる矯正治療【外科矯正治療】

2022.09.27

自分が保険適用に当てはまるのだろうか?保険適用の矯正って、どんなんだろう?と気になる方も多いと思います。

どのような場合に保険適用になるのか、当院での代表的な症例などをご紹介させていただきたいと思います。



保険適用の対象となる症例とは

 

アゴが大きく出てしまっていたり、逆に引っ込んでしまっていたり、顔面の変形や咬み合わせに異常を起こしているなど、通常の矯正治療だけでは治すことができない症例が当てはまります。



また、美容整形とは違うため骨格を矯正して顔面を美しくする、というわけではありません。

あくまでも顎機能診断をすることによって、咬合を改善するために外科矯正が必要と判断されたときのみ適用されます。

 

しかし、咬み合わせに異常があった場合でも、歯を動かし並べなおす一般的な矯正歯科治療で改善できるものと、アゴのズレなど骨格からの要因が大きく一般的な矯正歯科治療だけでは改善できないものもあります。

 

アゴのズレなどが軽度の場合は歯だけを動かし並べなおす一般的な矯正歯科治療でも改善することはありますが、重度の場合は、一般的な矯正歯科治療だけでは改善できず、アゴの手術を伴う【 外科矯正治療 】が必要となります。

 

そういった骨格的に問題があり、一般的な矯正歯科治療だけでは改善できず、アゴの手術が必要となる【 外科矯正治療 】に該当した場合が保険適用対象となります。









保険適用対象となる症例

 

当院で手術が必要となる矯正歯科治療【 外科矯正治療 】は色々とありますが、代表的なものを3つあげさせていただきます。

 

①下顎が出ている「反対咬合」(受け口)



②上下の前歯が全く噛み合っていない「開咬」





③上顎が大きく前に出ている「上顎前突」




一般的な矯正治療と外科矯正治療の違い

 

一般的な矯正歯科治療といえば、見た目をキレイに整えることを主にした審美的な側面が強い治療と判断されています。

そのため、矯正歯科治療における精密検査料・診断料・矯正装置代金、加えて定期的な調整にかかる費用はすべて自己負担となり、ケガや病的な診断がない限り健康保険を使うことができません。



保険適用となる外科矯正治療になった場合は、精密検査料・診断料・矯正装置代金含む、矯正治療にかかってくる費用が全て保険適用となります。

費用に関しましては、一度に大きく料金をお支払いいただくのではなく、その都度お支払いしていただくことになります。

ご来院いただいた時の治療内容によって、料金が変わってきます。



外科矯正治療になった場合の装置について

 

一般的な矯正治療は自費治療となるため、マウスピースの使用などは出来るのですが、保険適用の場合は、使用できる矯正装置は決まっており、ワイヤーの矯正装置のみが対象となります。





【 外科矯正治療 】のメリットは、

骨格的な問題を根本的に改善することができるという点と、保険適用がされるため、一般矯正歯科治療よりやや治療費が安くなるという点にあります。

 

【 外科矯正治療 】のデメリットは、

外科手術が必要になるということ。

そして外科手術には、いくつかのリスクが伴ってくるということです。

 

今から「外科手術」のリスクが、どのようなものかを説明させていただきます。

【 外科矯正治療 】をお考えの方は、ご検討の際の参考にしてみてください。

 

まず、大学病院で外科手術の前に行われる検査や入院など、全ての通院を平日に行っていただく必要があります。

特に社会人の方で一番の問題となるのは、外科手術の際に10日間ほど入院していただく必要があり、会社の方に理解していただき、長期のお休みが取れるかどうかということになります。

当院に通われている外科矯正治療の方は、年末やお盆休みなど長期休みを使われていることが多いです。

 

そして、全身麻酔下での手術になるということです。

全身麻酔には、合併症のリスクがあります。それが、全身麻酔後に起こる吐き気や嘔吐、悪寒などです。

もちろんすべての人に起こるわけではなく、個人差も大きいですがこういった症状が出るかもしれないことを理解しておくことが大切になってきます。

 

入院中もそうですが、退院後も、ご自身の体調面をバックアップしてくれる存在が必要になってきます。

そのため、ご家族などのご理解とご協力が必要になることも考慮していただきたいです。

 

歯学博士(歯科矯正学専攻)氏井庸介

歯科助手MH



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