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矯正治療におけるリスク

2018.03.05

リスク面について

歯科矯正治療のメリットとしては歯並びが綺麗になるだけでなく、忘れてはならないのが歯並びが綺麗になったことで非常に噛みやすくなり健康的な食生活を送れるようになるという点があります。しかし、頭に入れておかなくてはならないリスクも存在します。今回の記事では矯正治療におけるリスクを紹介していきます。

■矯正治療で考えられるリスク

・虫歯、歯肉炎、歯周病のリスク

矯正治療をする際に、しっかりとケアしなかった場合に起こりうる3大症例といっても過言ではないのが虫歯、歯肉炎、歯周病です。これらは場合により、矯正歯科ではなく一般歯科などの別の歯科医院で治療することになります。
基本的に矯正歯科では矯正治療を専門に行いますから、それ以外の治療が必要な時には他の歯科医院に行かなくてはならなる場合があり二度手間になります。
スムーズな矯正治療を希望するなら、健康的な歯と健康的な歯肉を保つのが必須条件となりますので虫歯や歯肉炎、歯周炎の要素は普段のブラッシングで遠ざける努力が必要となります。
歯科衛生士に歯のブラッシングの仕方や注意点を指導して貰い、忠実に実行しなければ状態はすぐに悪くなってしまいますので要注意です。矯正装置の周辺は非常に磨き残しが残りやすいことを常に考えておかなければならず、ブラッシングも普段以上に丁寧に行わなくてはなりません。

・知覚過敏症、歯髄炎のリスク

知覚過敏症とは様々な原因で歯に「しみる症状」を起こすことをいいます。全ての人てまはなくとも特に矯正装置を装着した直後、固定するワイヤーを交換した直後に「しみる・痛い」と感じやすいです。歯を動かすことで、一時的に歯と歯茎の間に隙間が出来ることから生じる症状です。大半は長くとも数日で落ち着きますが、酷くなると冷たいものだけでなく温かいものもしみたり黙っててもズキズキ痛むようになり長い時間に渡り続くことがあります。これを無視していると、一般的にいわれている「歯の神経が死んでしまう」ことを指す歯髄炎を引き起こし、数回に渡る神経を取る処置である根の治療をしなくてはならなくなりますから注意が必要です。

・歯根吸収、歯肉退縮のリスク

矯正装置から歯に加わる力が強すぎることで、少しずつ歯の根が短くなってしまうことを歯根吸収といいます。歯を動かす場合に適切な加減以上の力を加えすぎれば、例え虫歯のない綺麗な歯だとしてもダメにしてしまう場合がありますので力加減は非常に重要となります。
また、歯肉退縮については同じく矯正治療の力加減の強すぎや矯正治療中の誤ったブラッシング方法により歯茎が下がってしまい歯茎に隠れているはずの歯の根が露出してしまうこともあります。歯の根と通常露出している部分の境目は実はくびれていて歯の質が柔らかいのです。そこに磨き残しが蓄積し虫歯や歯周病、更には知覚過敏症も引き起こしますので注意しなくてはなりません。このように矯正治療でも歯肉が下がる場合があります。特に根が1本である前歯に起こりやすく、1度下がってしまった歯茎は元に戻ることはないので治す方法としては歯肉移植しかありません。歯肉移植は非常に難しく、移植した歯肉が不自然な感じになってしまう場合もありますので技術力のある歯科医師でなければ自然な状態で移植するのは難しくなります。

■まとめ

今回は矯正治療によって起こりうる代表的なリスクを挙げてまいりました。歯の生え方やお口の中の状況によって個人差がありますので、他にも考えられるリスクはありますが一見矯正治療はメリットだけだと思われがちでも実はリスクがあることを忘れてはなりません。

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