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矯正治療中のヘッドギアについて

2022.09.01

今回は、子供の矯正治療でもちいるヘッドギアについて説明します。

 

ヘッドギアの目的・効果

矯正治療を始めるとヘッドギアと呼ばれる頭から被る装具を見たことがある方もおられると思いますが、昔どこかの宗教が付けてたものとは全く違います。歯をきれいに並べるための補助的な装具です。

上顎の6歳臼歯にバンドと呼ばれる金属の輪っかを装着し、そのバンドの外側にはチューブが溶接されています。(バンドはセメントで付けるので取り外しできません)

そこに、フェイスボウと呼ばれる装置を差し込みます。(フェイスボウは取り外せます)

次に、フェイスボウの外側(アウターボウ)に、首から回したゴムのバンドか、頭に被った帽子から伸びたゴムを引っ掛けます。

そうすることで、上顎の6歳臼歯に対して後方へ引っ張る力をかけます。

外に見えてしまう装置になりますので、使用は基本的に自宅にいるときのみになります。

ヘッドギアは成長の促進を利用するもので子供であれば抜歯をせず歯を並べることが可能になります。しかしヘッドギアの装着時間が短かったり何らかの原因で歯の動きが悪い場合は抜歯になるケースもあります。ヘッドギアをしているから必ずしも歯を抜かなくてもいいと言うことはありません。そのためにも装着時間を確保しましょう。

 

 

さて、このヘッドギア、どんな時に用いるのでしょうか。

 

まず、成人矯正の場合、特に抜歯を伴う場合で大きく前歯を後方に引っ込める必要がある場合に用います。大きく前歯を引っ込める際に、奥歯が少しでも前歯の方へ近づいてきてしまうと、前歯が引っ込み切らないため奥歯を押さえておく効果を期待します。現在では、歯科矯正用アンカースクリューがヘッドギアの代わりとして広く用いられるようになっております。ただ、アンカースクリューは骨の成長が落ち着かないと定着しないので、若年層には適していません

次に、小児矯正の場合ですが、奥歯の噛み合わせがずれてしまっいる場合、将来的な成人矯正の難易度が上がりますのであらかじめヘッドギアで奥歯の位置を修正することがあります。さらに、骨格的に上顎前突(出っ歯)の場合はこのヘッドギアを使用することにより上顎の成長を抑制する効果を期待します。

 

ヘッドギアの使い方

 

使用方法について

 

最初は、最低限、就寝時に使いましょう。慣れてきたら一日12時間を目標に頑張って使いましょう。装置を入れる時間が多いほど効果的です。できるだけ長い時間入れましょう。歯を磨く時と、ご飯を食べる時、お風呂の時は外しましょう。

※装置を装着していると、奥歯が痛くなることがありますが、これは奥歯が動いてきてる証拠なので心配要りません。

※来院時にはヘッドギアーを調整しますので必ず持って医院に持ってくるようにしましょう。

 

 

 

歯学博士(歯科矯正学専攻)氏井庸介

歯科衛生士YM

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