当院は、初診でCTを撮影しますが、その理由は三つあります。
1 骨格と歯と口元のバランスを確認するため
2 子供の生え変わりで問題があるかを確認するため
3 特別な病気がないか確認するため
これらを把握することで、患者様一人一人に合った矯正治療について初診で説明することが可能となります。
第一に、骨格と歯と口元のバランスを説明するため
患者さんから口元が出ているのを治療したいです!などの希望をよく聞きます。
ですが、口元が出ているのは、骨格から出てるのか?あるいは歯が傾斜しているのか?
見ただけでは、説明することは難しいです!(おそらくはその両方が多いのですが、、、)
そこで、当院では、初診相談におけるCT診断で骨格と歯の位置を分析して、
何が原因で口元が出ているのかを分析します。
今回は、下の図の患者さんを例に説明いたします。
まずは、骨格からみましょう!(*結構難しい内容です)
①SN平面(脳頭蓋底)確認
SN平面と言って、N点(眉間)とS点(頭の中心)を結んだ線です。この線は、矯正治療の計画を決める上で非常に重要です。でも、簡単にいえば、「脳」と「顔」の境界線と思ってもらえたらいいかなと思います。
②上あごの位置を決めます!
上あごの位置を決めます。これは、上あごの位置はA点という点になります! 先ほどのSとNでできる線とNとAでできる直線の角度が上あごの値となります。
③下あごの位置を決める
上あごの位置を決めると同様に下あごの位置を決めます。これは、下あごの位置はB点という点になります! 先ほどのSとNでできる線とNとBでできる直線の角度が下あごの値となります。
④ **上あごと下あごのバランスを見ることができます
AとBの角度の差を見ることで、どれぐらいあごが出ているのかがわかります。
左の写真と少し上あごが出ているのが確認できますが、角度の差を見ることが重要です。
通常は、3から5ですが、この方の場合は約7°でしたので、骨格的にやや上あごが出ていることが、
わかります。
歯のバランスについて
上の前歯について
まず、左図のように最初に上の前歯の軸を決めます。先端と根っこの先をの直線を結びます。
先程のSとNと結んだ直線との角度が前歯の角度です。
次に下の前歯です
上の前歯と同じように下の前歯の軸を決めます。先端と根っこの先を直線で結びます。
下は上と違うのは、下あごのラインと結んだ角度が下の前歯の角度となります
最後に上下の前歯の角度の確認
これで、上下の前歯の角度の評価ができるので、平均値からどれぐらい差があるのかを確認でき、
上下の前歯が少し外側に傾斜していることがわかります。
口元のバランスについて
口元のバランスについては、色々な測定がありますが、今回はE-lineについて説明します。
お鼻の先端と下あごのある点を結んだ線がE-lineですが、日本人であればちょうど接しているぐらいがきれいとされてます。
この患者様は、少し口元の突出感が確認できます。
まとめ
この患者様は、歯が出ていることが気になって来院されました。CT診断により歯が出ていることが、骨格的に少し出ていることや、上下の前歯が外側に傾斜していることが原因と判断できます。
まだ、精密検査で3Dシュミレーションを行っていないので確定はできませんが、
おそらくは、抜歯を行う矯正治療の方が口元を改善できる可能性が高いです。
当院の初診相談のCT診断ではここまで確認できますので、もし、ご興味がありましたら初診相談ににお越し下さい。