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叢生(デコボコ)について

氏井庸介

氏井矯正歯科クリニック
院長 氏井庸介

DOCTOR PROFILE

2023.09.26

叢生とは

叢生は、「そうせい」と呼ばれ、歯が重なったり、ねじれて生えてきたりすることにより、歯並びがデコボコ・ガタガタになってしまう状態を指します。八重歯も叢生の一例と言えます。骨格的な問題がない場合、歯並びがかなりガタガタしていても、適切な治療計画を立てれば改善が可能ですので、ご安心ください。

叢生になる原因とは?

遺伝的な要因

叢生は遺伝的要因により発生することがあります。家族の中で歯並びの問題がある場合、子供も同様の問題を抱える可能性があります。また、歯のサイズや顎の大きさも遺伝に影響されるため、これらの要因が叢生を引き起こす可能性があります。

乳歯の早期喪失

乳歯が事故や虫歯などで早期に失われた場合、永久歯が正しい位置に生えてこない可能性があり、叢生を引き起こす可能性があります。

口腔の悪習慣

指を吸う、舌の推力、口呼吸などの悪習慣は、歯並びやあごの成長に悪影響を与え、叢生の原因となることがあります

叢生は治療が必要なのか?

審美面に関して

歯並びの問題は、自信を喪失させる要因となる可能性があります。叢生を治療することで、見た目のコンプレックスを克服し、自信を回復することができます。

機能面に関して

叢生が原因で早期接触の原因となることがあります。早期接触とは、噛む際に他の歯よりも先に一部の歯が接触する状態を指します。この不自然な接触は、噛む力が一部の歯に偏り、その歯や顎関節に過度なストレスをもたらします。

口腔内の環境要因

叢生により、虫歯のリスクを高める可能性がある。科学的な文献において叢生と虫歯の直接的な関連性を示す研究は限られているものの、叢生は歯磨きを困難にし、これが虫歯のリスクを高める要因となる。

叢生の治療方法は?

叢生の原因は、アゴの大きさと歯の大きさの不調和が原因で起こります。アゴが大きく広がる期間は12歳ぐらいまでですので、思春期の成長が始まるまでの期間と、思春期以降の成長が終わった時期において治療計画のアプローチを変更する必要があります。

思春期成長期までの治療について

幼稚園から小学低学年

当院では、叢生(デコボコ)の治療に関して、上下の前歯が4本生え揃ったタイミングで矯正治療を開始する方針を取っておりますので、それまでは経過観察となります。口腔習癖(舌が出る癖、指しゃぶりなど)がある場合には、それらの習癖を可能な限り避けていただきたいと考えております。

小学生中学年から高学年の場合

当院において、あごを広げて奥歯を後ろに下げることは主要な治療方法です。まず第一に、上あごと下あごを取り外し可能な装置であごをひろげ、叢生を矯正するために必要なスペースを作り出します。さらに、奥歯を後ろに下げることにより、さらにスペースを確保し、前歯の叢生を解消することが可能となります。動画での解説があるのでもしよければ御覧ください。

思春期成長以降の治療

中学生以上の場合

当院において、小学生から治療をされてる場合

中学生になる頃には新しい歯の生え変わりのタイミングを確認します。問題がない場合、装置を外し、経過観察を行います。完全な咬合や歯並びをを得るにはさらなる時間が必要です。当院は、患者さんの成長に応じた治療計画を続け、最適なタイミングを図ります。

はじめて当院に来院された場合

治療を希望された場合、精密検査を通じて叢生の原因を確認し、もし歯の問題のみであれば矯正治療を開始します。骨格的な問題が原因である場合は、成長が止まるころまで一度経過観察を行います。

症例集

小学生の治療

ガタガタの量が多いですが、小学生ですので、抜歯せずにあごを広げて奥歯を後ろに動かしてスペースを作りました。少し歯磨きが大変ですが、希望により上顎のみワイヤーでの矯正治療を行いました。

ワイヤー矯正治療により1年10ヶ月で治療を行いました。精密検査診断 (55000円) 1期治療料金480,000円 毎回の調整料金4400円 矯正治療による副作用 歯肉退縮 歯根吸収 歯髄壊死など

非抜歯でワイヤーでの矯正治療

ガタガタの量が少ないので歯を抜かずインプラントアンカーを併用した治療を行いました。

非抜歯でマウスピース型矯正装置での治療

ガタガタの量が少ないので歯を抜かず、マウスピース型矯正治療を併用した治療で改善しました。

抜歯での表側のワイヤー矯正

通常の矯正装置での抜歯を併用した矯正治療です。ガタガタの量は多いので、インプラントアンカーを埋入して抜歯スペースの確保をモニタリングしながらの矯正治療を行いました。

抜歯でハーフリンガル

ハーフリンガルでの抜歯を併用した矯正治療です。上下ともにガタガタの量は多いので、上顎は抜歯および口蓋インプラントアンカーを併用し、下あごは、抜歯せずスライスカットを併用しながら、歯ぐきに問題が起こらないかモニタリングしながらの治療を行いました。

Q&A

Q:矯正治療は何歳から始めることが望ましいですか?

A:通常、永久歯が生えてくる10歳頃から始めることが可能です。

 ただし、重度の場合や特殊な状況では、それよりも早い段階で治療を開始することもあります。

 

Q:矯正治療は痛いですか?

A:矯正装置を調整する際や新しい装置を装着する際には一時的な痛みや不快感を感じることがありますが、

 多くの場合は数日〜1週間程で痛みが減少します。

 

Q:矯正治療の期間はどれくらいですか?

A:個人差がありますが、1.5~3年程度です

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