今回は、「インプラントアンカー」について説明いたします。インプラントと聞くと何か怖いイメージがあると思いますが、矯正用で使うインプラントアンカーとは、直径1.5mmほどのピアスのようなお沖合です。今回は、なぜ、矯正治療で必要なのか?安全面などについてご説明します。
目次
インプラントアンカーとは?
簡単に言うと、インプラントアンカーは小さなスクリュー状の装置で、あごの骨に直接埋め込むことで矯正治療の一時的な固定源として活用されます。このアンカーのおかげで、特定の歯を効果的に動かすことができるようになりました。
なぜ、インプラントアンカーを打つ必要があるのか?
従来の矯正治療
従来の歯を抜く矯正治療では、奥歯と前歯の歯の引っ張り合いをして、前歯が後方に移動して、奥歯が前方に移動します。治療計画上、その動きが問題ないのであればいいのですが、奥歯を前方に移動させずできるだけ前歯を後方に移動したい場があります。その場合は、ヘッドギアなどの奥歯の位置を維持する装置を使う必要がありました。最低12時間以上の装着時間が必要であるなど、現代社会では、現実的では有りません。
インプラントアンカーを使った矯正治療
そこで、インプラントアンカーを用いることで、ヘッドギアなどの装置を必要とせず前歯が可能なかぎり後方に移動して、かみ合わせや口元の改善を行います。症例ナンバー21の患者様ですが、インプラントアンカーを使い、上下の前突感の改善を行っています。ただしインプラントアンカーだけではなく、奥歯が前に移動しなよう他の装置なども併用しております。
治療例
インプラントアンカーを、当院で安全に打つための方法は?
インプラントアンカーを打つ場所は限られているためしっかりと事前検査を行う必要があります。当院ではCT診断を行ったのち安全に埋入できる部位を特定して埋入します。参考図書 ザ・クインテッセンス/2022年11月号 月星陽介先生
インプラントアンカーの注意点
外れる可能性がある
当院の基準に基づいて最適な位置にインプラントアンカーを埋入しても、脱落や緩むことが考えられます。脱落した場合、必要に応じて再度の埋入を行いますが、一度外れた方は骨質が不良であるため、再び脱落するリスクが高まります。
当院で対応できない場合がある
当院では、インプラントアンカーを埋入しても繰り返し脱落が生じ、治療上その使用が不可欠な場合、強固なプレートタイプの装置に切り替えるため、大学病院をご紹介することが考えられます。
症例集
非抜歯での治療でインプラントアンカーを併用した症例
非抜歯の場合の条件として「ガタガタの量が少ないこと」と「口元の改善を希望されない」などの条件が必要となります。
インプラントアンカーと抜歯を併用した症例
Q&A
Q1インプラントアンカーは必ず埋入するのでしょうか?
インプラントアンカーは、矯正治療で必ず必要ではありません。精密検査を行い必要な人のみインプラントアンカーの施術を行います。
Q2インプラントアンカーは痛いでしょうか?
インプラントアンカーを埋入する場合は、麻酔をするので埋入時の痛みはありません。埋入後に、頬と当たる場合があり口内炎などにある可能性があります。