症例別の治療法について

奈良で安心の矯正治療|インプラントアンカー(矯正用ミニスクリュー)とは?

氏井庸介

氏井矯正歯科クリニック
院長 氏井庸介

DOCTOR PROFILE

2023.10.05

矯正治療で耳にする「インプラントアンカー(矯正用ミニスクリュー)」。
「矯正でネジを入れるってどういうこと?」「痛みや安全性は大丈夫?」と気になって検索された方も多いのではないでしょうか。

実際のインプラントアンカーは、**直径1.6〜2mmほどの小さなネジ(ピアスくらいのサイズ)**で、矯正治療中だけ一時的に使う装置です。
治療の精度を高め、歯を効率的に動かすために世界中で広く活用されています。

このページでは、

  • なぜ矯正治療にインプラントアンカーが必要なのか
  • 痛みや安全性は本当に大丈夫なのか
  • どんなメリットがあるのか

を、奈良で安心できる矯正治療を行う氏井矯正歯科がわかりやすく解説します。
これから矯正を考えている方、インプラントアンカーを勧められて不安に思っている方は、ぜひ参考にしてください。

 

インプラントアンカーとは?

インプラントアンカーとは、直径1.6〜2mmほどの小さなネジ状の装置です。
あごの骨に一時的に固定することで、矯正治療の「支え(固定源)」として使われます。

このアンカーを利用することで、

  • 動かしたい歯だけを効率よくコントロールできる
  • ゴム牽引やワイヤーだけでは難しい動きも実現できる
  • 治療の精度が向上する

といったメリットがあります。
治療が終われば簡単に取り外せるため、体に負担を残すことはありません

 

なぜ、インプラントアンカーを打つ必要があるのか?

従来の矯正治療

従来の矯正治療では、歯を抜いたスペースを利用して奥歯と前歯を引っ張り合いながら動かします。
その結果、前歯を後ろへ下げたいのに、同時に奥歯が前に出てきてしまうことがありました。

本来であれば「できるだけ前歯だけを後ろへ下げたい」と思っても、奥歯が動いてしまうために思い通りの治療が難しかったのです。


過去にはヘッドギアと呼ばれる装置を使って奥歯の位置を固定していましたが、1日12時間以上の装着が必要で、現代のライフスタイルでは現実的ではありません。

👉 こうした課題を解決するのが「インプラントアンカー」なのです。

インプラントアンカーを使った矯正治療

そこで、インプラントアンカーを用いることで、ヘッドギアなどの装置を必要とせず前歯が可能なかぎり後方に移動して、かみ合わせや口元の改善を行います。症例ナンバー21の患者様ですが、インプラントアンカーを使い、上下の前突感の改善を行っています。ただしインプラントアンカーだけではなく、奥歯が前に移動しなよう他の装置なども併用しております。

治療例

インプラントアンカーを、当院で安全に打つための方法は?

インプラントアンカーを、当院で安全に打つための方法は?

インプラントアンカーを打つ位置はどこでも良いわけではなく、安全に固定できる限られたスペースにのみ埋入が可能です。
そのためには、事前の精密な検査が欠かせません。

当院では、まずCT診断で歯や骨の状態を立体的に確認します。
そのうえで、神経や血管を避けながらアンカーを安全に入れられる部位を特定し、シミュレーションを行った後に埋入しています。

このプロセスによって、患者さんにとって安心・安全で確実な矯正治療が可能になります。

 

参考図書 ザ・クインテッセンス/2022年11月号 月星陽介先生

インプラントアンカーの注意点

外れる可能性がある

当院の基準に基づいて最適な位置にインプラントアンカーを埋入しても、脱落や緩むことが考えられます。脱落した場合、必要に応じて再度の埋入を行いますが、一度外れた方は骨質が不良であるため、再び脱落するリスクが高まります。

当院で対応できない場合がある

当院では、インプラントアンカーを埋入しても繰り返し脱落が生じ、治療上その使用が不可欠な場合、強固なプレートタイプの装置に切り替えるため、大学病院をご紹介することが考えられます。

症例集

非抜歯での治療でインプラントアンカーを併用した症例

非抜歯の場合の条件として「ガタガタの量が少ないこと」と「口元の改善を希望されない」などの条件が必要となります。

インプラントアンカーと抜歯を併用した症例

Q&A|インプラントアンカーに関するよくある質問

Q1. インプラントアンカーは必ず埋入するのでしょうか?
A. インプラントアンカーは、すべての矯正治療で必要になるわけではありません。
精密検査・診断を行い、必要と判断された場合のみ使用します。患者さんの症状や治療計画に合わせて最適な方法を選択しますのでご安心ください。


Q2. インプラントアンカーは痛いでしょうか?
A. 埋入の際は局所麻酔を行うため、施術中に痛みを感じることはほとんどありません。
処置後に頬や粘膜に当たって口内炎のような症状が出る場合がありますが、多くは一時的で、適切なケアで改善します。


Q3. インプラントアンカーは治療後どうなるのですか?
A. 矯正治療が終われば不要になるため、簡単に取り外します。取り外しも短時間で済み、歯や骨に影響はほとんど残りません。


Q4. 見た目は目立ちますか?
A. アンカーは非常に小さく、装着してもほとんど目立ちません。位置によっては外から見えないことも多いです。

インプラントアンカーは、矯正治療をより正確で効率的に進めるための小さなサポート装置です。
「痛そう」「怖そう」と思われがちですが、実際には安全で多くの患者さんに取り入れられています。

もし少しでも気になる方は、ぜひ初診カウンセリングでお気軽にご相談ください。
奈良で安心の矯正治療を行う氏井矯正歯科が、丁寧に検査・説明を行い、あなたに合った治療方法をご提案いたします。

 

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