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セファロ分析って何?顔の特徴から読み解く矯正治療の方法 part1

2023.10.06

セファロ分析とは

セファロ分析は、患者さんの側顔のX線写真を基にした分析方法です。これにより、骨格のバランスや歯の位置関係、成長の傾向などを詳しく調査することができます。特に矯正治療の計画や治療後の結果の評価には欠かせない方法となっています。今回は、顔の特徴を前後的要因と垂直的要因にわけて説明しております。内容としては、やや難しい内容となっています。

垂直的要因と前後的要因について

セファロ分析では、垂直的成分と前後的成分の2つの要素が主要なポイントとして取り上げられます。垂直的成分は、要するに顔の縦の長さを示しています。この成分が豊富な方は開咬傾向(上下の歯がきちんと重ならない状態)を持つことが多く、逆に少ないと深い咬み合わせの特徴を持っています。一方、前後的成分は顎の前後の位置を示しています。具体的には、上あごが前に出ている場合は出っ歯の特徴があり、下あごが前に出ている場合は受け口の特徴が見られます。これらの2つの要素を組み合わせることで、顔の特徴を9つのパターンに分類することができ、これが矯正治療の計画を立てる際の重要な基盤となります。

垂直的要因について(顔の長さについて)

垂直的要因は、矯正治療の際の診断や治療方針を決める上でのキーとなる指標です。この要因が多いと「longface」と称され、開咬の傾向が見られることが特徴です。特に、歯の間に隙間が多く現れることが一般的です。対照的に、垂直的要因が少ない場合、それは「lowface」と呼ばれます。この状態は、上下の歯が強く重なる深い咬み合わせを示すものです。さらに、複雑な点として、問題の原因が骨にあるのか、歯にあるのか、あるいはその両方にあるのかを判断するために、詳しい検査が必要となります。

short face傾向 (下顔面高が短い傾向の方)

short face 傾向の患者さんは上図のno7.からno.9のどれかになります。レントゲン写真の特徴として、矢印の部分を指す下顔面高が短いことが特徴の一つです。骨格的なにかみ合わせの筋肉がしっかりしていることが特徴です。また、前歯のかみ合わせ深くなる傾向があり、下の前歯が見えない方がいらっしゃいます。お写真の患者様は、short face傾向でかつ上あごが前方にあるので、no 9の状態です。

Long face傾向(下顔面高が長い傾向の方)

long face 傾向の患者さんは上図のno1.からno.3のどれかになります。また、レントゲン画像の特徴において、矢印の部分を指す下顔面高が長いことが特徴の一つです。また、前歯が噛んでいないことがあります。この状態を開咬といいますが、骨格的なことが原因であるのか?歯が原因であるのか?を考える必要があります。お写真の患者様は、long face傾向でかつ下あごが前方にあるので、no 1の状態です。(*下顎枝が短いことも開咬の原因)

前後的要因について

前後的成分は、下のアゴの位置関係を示すものです。具体的には、上のアゴが前に出ている状態を「出っ歯」と呼びます。逆に、下のアゴが前に出ている状態は「受け口」と称されます。例えば、出っ歯の方は、上の歯が下の歯よりも前方に位置することが多く見られます。この成分を知ることで、どのような矯正が必要か、またはどの部位に特に注意が必要かが明確になります。

上あごが前方にある状態( Class Ⅱ )

上顎前突傾向の患者さんは上図のno3. no.6 no9のどれかにあてはまります。また、セファロレントゲン写真より上あごが前方に出ているかどうかは、矢印の部分が示す一定の距離を基準に判断します。この患者様の場合、矢印の部分が基準の距離を超えているため、上あごが前方位に位置していると考えられます。上あごが前方に出ているだけでなく、上の前歯の角度も外側に傾斜してることも特徴です。総合的に、この患者様は上あごが前方位にあり、さらに「Long face」の傾向も見られます。この結果から、患者様の顔の特徴はセファロ分析の9つの分類のうち、3番または6番のカテゴリに近い状態と言えます。

下あごが前方にある状態( Class Ⅲ )

下顎前突傾向の患者さんは上図のno1. no.4 no7のどれかにあてはまります。また、セファロレントゲン写真より下あごが前方に出ているかどうかは、矢印の部分が示す一定の距離を基準に判断します。この患者様の場合、矢印の部分が基準の距離を超えているため、下あごが前方位に位置していると考えられます。さらに「short face」の傾向も見られます。この結果から、患者様の顔の特徴はセファロ分析の9つの分類のうち、7番のカテゴリに近い状態と言えます。

セファロ分析から導き出される治療方法

矯正治療の基礎となるセファロ分析を通じて、患者様の顔の特徴を9つのパターンに分類することができます。この分類は、それぞれの患者様に最適な矯正治療の選択をサポートするためのものです。例えば、no1のカテゴリーに分類される方は「longface」や「受け口」の特徴があり、外科的なアプローチを伴う治療が推奨されるケースが多いです。一方で、深い咬み合わせと出っ歯の特徴を持つ方には、どの歯を抜歯するかなどの治療方針をきめ細やかに検討する必要があります。治療の詳細や方法については、順次お知らせしてまいります。

当院では、初めてのご来院の際もレントゲン撮影を実施し、詳細な分析を行います。矯正治療に関心がある方、疑問や不安をお持ちの方は、ぜひ当院までご相談ください

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