矯正治療を終えて整った歯並びを長くキープするために欠かせないのが「保定装置(リテーナー)」です。しかし、使用方法を誤ったり、自己判断で装着をやめてしまったりすると、せっかくの歯並びが元に戻ってしまう“後戻り”の原因に。今回は、保定装置に関するトラブルや注意点、そして当院でのサポート体制についてご紹介します。
目次
保定装置とは?
保定装置は、動かした歯の位置を安定させるための大切な装置です。歯は元の位置に戻ろうとする性質があるため、治療終了後すぐに装着をやめてしまうと、歯並びが崩れてしまうことがあります。
よくあるトラブルと対応方法
● 装置が壊れた・合わない
・マウスピースが割れてしまった
・ワイヤータイプの装置が曲がった/外れた
→そのまま放置すると歯が動いてしまう可能性があります。早めにご連絡ください。必要に応じて修理や再作製を行います。
● 装置を紛失してしまった
・旅行中に失くした
・ペットに噛まれた/誤って捨ててしまった
→歯は1日1日動いていきます。数日以内に装置が再作製できない場合、後戻りが始まる可能性もあります。できるだけ早くご連絡ください。
● 装着時に痛み・違和感がある
・しばらく使っていなかったら、きつくて入らない
・装着中に違和感や浮いた感じがする
→歯が動き始めてしまっているかもしれません。無理に使わず、クリニックへご相談ください。

使用時の注意点
保定装置(特にマウスピース型)はプラスチック製のため、以下の点にご注意ください:
- 熱湯消毒はNG! →変形や破損の原因になります。
- 市販の入れ歯洗浄剤などは使用不可 →素材が溶けたり、ひび割れを起こすことがあります。
- 当院指定の「リテーナーシャイン」は使用可能 →装置を清潔に保つためにおすすめです。

また、自己判断で装置の使用をやめることは絶対に避けましょう。
以下のような“後戻り”が実際に起こることがあります:
- 前歯が少しずつ重なってくる
- 隙間が開いてくる
- 咬み合わせがズレて違和感が出る
- フィットしなくなって装置が使えなくなる
- 新たに矯正が必要になるケースも…
当院のサポート体制「デンタルモニタリング」で安心
当院では、保定期間中の患者さまにも安心して過ごしていただけるように、**スマートフォンを使ってご自宅から口腔内の状態を確認できる『デンタルモニタリング』**を導入しています。
- 「歯が動いていないか不安…」
- 「装置が合っているか心配…」
そんな時も、遠隔でチェックが可能です。

異常があれば早めにご連絡し、必要な対応をご案内しますので、遠方にお住まいの方や忙しい方でも安心して保定管理ができます。
まとめ|トラブルは小さくても見過ごさず、早めに行動を
保定装置は、歯並びを安定させるためのとても大切な装置です。
しかし、「少し割れただけだから…」「ちょっと痛いけど使えるし…」といった軽い判断でそのまま使い続けてしまうと、わずかなズレが大きな“後戻り”につながることもあります。
特に、マウスピースが合わない・痛い・なくしたといったトラブルは、放っておくと再作製が必要になったり、再矯正のリスクも。
装置の異常や違和感を感じたら、できるだけ早めにご相談ください。
矯正治療後の歯並びを守るためには、「装着を続けること」だけでなく、「正しく使うこと」「トラブルを放置しないこと」も重要なポイントです。
気になることがあれば、どんな些細なことでも、私たちにお気軽にご相談ください。
きれいな歯並びをずっと維持できるよう、サポートを続けてまいります。
T.H