矯正治療が無事に終わると、多くの患者さんが「これで治療は終わり」と安心されますが、実はここからがとても大切なステップです。
矯正治療後の歯は、元の位置に戻ろうとする力が強く働き、特に治療終了後の4〜6ヶ月間は「後戻り」が起こりやすい時期。
この**後戻りを防ぐために欠かせないのが「保定装置(リテーナー)」**です。
目次
保定装置の種類
患者さんの歯並びや治療内容に応じて、以下のような装置が使われます。
● インビジブルリテーナー(透明マウスピース型)
目立ちにくく、取り外し可能なタイプ。食事や歯磨きの時に便利ですが、装着時間が短いと後戻りのリスクが高まるため注意が必要です。

● リテーナー(ワイヤータイプ)
金属のワイヤーとアクリル素材でできた取り外し式の保定装置。やや目立ちますが、しっかり固定されるため保定効果が高いのが特徴です。

● FIX(固定式リテーナー)
前歯の裏側に細いワイヤーを接着して固定するタイプ。自分で取り外しできないため、装着を忘れる心配がありません。ただし、清掃が難しいため定期的なメンテナンスが必要です。

装着期間と通院の重要性
保定装置の装着期間は最低でも2年間が基本です。これは、動かした歯と骨がしっかりと新しい位置に定着するために必要な時間。
この期間中は、数ヶ月ごとに通院して装置の調整や歯のチェックを行うことがとても大切です。
2年以降も、夜間のみ装着を続けることで後戻りを防ぐ効果が持続します。特に成長期のお子様や、大人の方も長期的なケアが推奨されます。
後戻りが起きた場合の対応
装置の装着が不十分だったり、自己判断で使用をやめてしまうと、**歯が少しずつ動いてしまう「後戻り」**が起きることがあります。
ただし、軽度の後戻りであれば、マウスピース型矯正装置で再度調整が可能です。早めの対応で、再矯正を最小限に抑えることができます。
まとめ|保定装置の継続使用が“きれいな歯並び”を守る鍵
矯正治療のゴールは、歯が並びきった時点ではなく、その状態を安定させて長く維持することです。
そのために必要なのが「保定装置(リテーナー)」の継続的な使用です。
保定期間は通常2年ほどと長く感じるかもしれませんが、歯が元の位置に戻ろうとする“後戻り”を防ぐためにとても重要な時間です。
日々の装着を怠らず、指示された時間や使い方を守ることで、きれいな歯並びをしっかりとキープできます。
大切な歯並びを一生の財産にするために、保定期間も私たちがしっかりサポートします。
T.H