はじめに
「まだ乳歯が抜けていないのに、永久歯が裏側から顔を出してきた」
「顎が小さく、歯と歯の間にすき間もない」
こうしたご相談はよくあるものですが、成長段階で見られる自然な現象である一方、
将来の歯並びに影響する可能性もあるため、注意深く見ていく必要があります。
このブログでは、歯の生え変わりの中で起こりやすい変化や、矯正専門の立場から見た注意点、
そしてどのようなケースで矯正相談が適しているかについてお伝えします。
永久歯が裏から生えてくるのは、よくあること?
歯の生え変わりの時期には、乳歯がまだしっかり残っている状態で、
その裏側から永久歯が生えてくることがあります。
このような状態は「二枚歯」と呼ばれることもあり、特に下の前歯に多く見られます。
すぐに何かしなければならないケースばかりではありませんが、
生え方や歯の位置に影響を与える要因があるかどうかを見極めることが大切です。
顎が小さい・すき間がない=歯が並びきらない可能性も
乳歯の時期にすき間がまったくない場合、将来的に永久歯が並ぶスペースが不足する可能性があります。
これは以下のような影響を及ぼすことがあります:
- 歯がガタガタに並ぶ(叢生)
- 正しい位置に歯が生えてこない(位置の異常)
- 噛み合わせにズレが生じる
こういった問題は、成長や歯の交換の進行とともに明らかになることが多いため、今後の変化をよく観察することがポイントです。
当院での矯正相談の対象と治療方針について
当院では、矯正相談の対象を原則として9歳以上のお子さまとさせていただいています。
これは、前歯を中心とした永久歯がある程度生えそろってきており、
顎の成長方向や歯列のバランスを客観的に判断できる時期だからです。
また、当院では乳歯の抜歯は基本的に行っておりません。
必要と判断される場合でも、状況に応じて、その判断を一時見送ることもあります。
矯正治療が本当に必要かどうか、治療を始めるならいつが適切かを見極めるために、
まずは歯の交換や顎の成長を慎重に確認することが、私たちの治療方針です。
まとめ
- 永久歯が乳歯の裏から出てくることは、歯の生え変わりの時期にはよく見られる現象です
- 顎が小さく、歯と歯の間にすき間がない場合、永久歯がきれいに並ばない可能性があります
- 歯並びの乱れ(叢生)や噛み合わせのズレにつながることもあるため、今後の成長に注目する必要があります
- 当院では、矯正相談は原則として9歳以上のお子さまを対象としています
- 乳歯の抜歯は基本的に当院では行わず、状況によっては処置を見送ることもあります
- 歯の生え方や顎の成長には個人差が大きいため、焦らず経過を見ながら判断することが大切です
- 気になることがあれば、適切なタイミングでのご相談をご検討ください
最後に
お子さまの歯の生え変わりは一人ひとり異なり、個人差が大きいものです。
「大丈夫かな?」「矯正は必要なのかな?」と感じる場面もあるかもしれませんが、
すぐに治療が必要というケースばかりではありません。
当院では、対象年齢に達したお子さまに対し、必要な検査と診断を行った上で、
その子に合った治療のタイミングや方法をご提案しております。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
成長を見守りながら、一緒に最適なタイミングを考えていきましょう。