ワイヤー矯正で“本当に見るべきポイント”とは?
ワイヤー矯正の現場で本当に重要なのは、
ただ装置がついているかどうかではありません。
歯が治療計画通りに動いているかどうか──それこそが、日々の診療で最も注意すべき点です。
マウスピース矯正では、アライナーの適合をAIが自動で判定してくれる体制が整いつつあります。
しかし、ワイヤー矯正においては、現在も以下のようなステージの進捗や異常を人の目で確認するしかありません。
▼ レベリング(歯列を整える初期工程)が完了しているか
▼ リトラクション中に前歯の傾斜異常が起きていないか
▼ ディテーリング(仕上げ工程)で予期せぬズレが生じていないか
「こんな機能があれば…」と、ずっと思っていた
▼ レベリングが完了したら、AIから**自動で「完了通知」が届く
▼ 傾斜異常が検出されたら、AIが「注意アラート」**を出してくれる
▼ 微細なズレをAIが検出して、仕上げ前に対処できる
そんな**AIによる“自動ステージ判断機能”**があれば、
ワイヤー矯正はもっと安全に、効率的に、そして患者さんにも安心してもらえる治療になる──
私はずっとそう考えていました。
DMヨーロッパサミットで見た未来
このたびヨーロッパで開催されたDMサミットに参加した最大の目的は、
新しい機能が発表されるという情報を聞いたからです。
そして発表されたのが、
**「デンタルモニタリングプラス(DM+)」**という新機能でした。
これは、動画から立体画像を作成する機能で、
直感的に「フォトグラメトリーの一種だな」と思いました。
ただ、動画ベースで立体画像を生成するとなると──
▼ どの程度の精度で3D化できるのか?
▼ どんな診断支援に使えるのか?
という点が気になりました。
しかし話を聞いてみると、単に3D化するだけでなく、
▼ 距離の自動測定
▼ 角度の自動判定
▼ その他、さまざまなデータ解析機能
といった、診断支援に直結する多機能性があることがわかりました。
正式なリリース時期は未定とのことでしたが、私は「これはぜひ使いたい」と心から思いました。
COOからのサプライズ
サミット終盤、なんと参加者の中から1名限定でDM+の利用チケットが当たる抽選が行われるという、驚きの発表がありました。
…が、そのときの私は、それどころではない状態でした。
▼ 空港でロストバゲージ(スーツケース紛失)
▼ 着替えもなく現地入り
▼ 日本国内でも解決困難な案件が発生し、気が休まらない
▼ 48時間以上ほぼ眠れないまま3日目に突入
ようやく荷物が戻り、日本のトラブルも落ち着き、
「これはもう少し休まないと体調がもたない…」と思って横になっていたとき──
またもやスマホが鳴りました。
「またトラブルか…?」と身構えながら電話を取ると、
なんと相手はデンタルモニタリング日本法人の社長さん。
「氏井さん、おめでとうございます。
DM+のゴールデンチケット、当たりました!」
……まさかの展開でした。
「どうせ当たらないだろう」と思っていた抽選。
それが、まさか自分に当たるなんて──
そしてこれから
この“ゴールデンチケット”は、
単なるツールの試用ではなく、未来の矯正医療の可能性を広げる鍵だと感じています。
DM+を通じて、
▼ ワイヤー矯正の進捗をAIが評価し
▼ 医師はより高度な判断に集中でき
▼ 患者さんにとっても治療の見通しがクリアになる
そんな世界を実現したいと思っています