初診カウンセリングではレントゲン/CTでお口の中をチェックしますが、そのとき**「上の犬歯がまだ生えていない(埋伏している)」ことが見つかる場合があります。
乳犬歯が残っていると気づきにくく、「右は生えたのに左はまだ…」**のような片側だけ遅れているケースも珍しくありません。
「それって本当に問題?」と思われるかもしれませんが、放置で大きなトラブルにつながることがあるため、年齢に応じた対処が大切です。
目次
犬歯って、いつ生えてくるの?
犬歯(糸切り歯)は10〜12歳ごろに生えてくるのが一般的です。
11歳を過ぎても片側だけ生えてこない場合は、いったん専門的なチェックをおすすめします。
📺 「犬歯の生え方」ミニ解説動画
犬歯が生えてこない原因
- スペース不足:歯並びに犬歯の入る場所がない
- 方向のずれ:犬歯が骨の中で斜め/横向きになっている
放っておくとどうなる?
- 隣の歯の根っこが溶ける(歯根吸収)
放置された「ずれた犬歯」が隣接歯の歯根を傷めることがあります。研究では無治療だと一定割合(約12%)で歯根吸収が起こりうると報告されていますj.ajodo.2019.10.026。 - 歯並び・噛み合わせの悪化
犬歯が本来の位置に来ないため、全体のバランスが崩れ、矯正が複雑・長期化することがあります。 - 外科処置が必要になることも
成長が進むほど、歯を動かすスペース確保や外科的アプローチの必要性が増します。
何歳でレントゲン/CTを撮るべき?
7から8歳ごろの上の前歯がでてきたあたりででのチェックをおすすめします。必要に応じて範囲を絞った低被ばくCTで立体的に評価します。
※子どもの被ばくは少ないほどよいという考えが国際的にも一般的で、まずは2Dで見極め、必要時に限定的な3Dという方針が推奨されていますj.ajodo.2019.10.026。
当院ではチェックだけの低線量プロトコルで、安全に位置確認が可能です。
年齢別:埋伏犬歯の予防と治療
7〜9歳(小学生:予防が効きやすい時期)
- レントゲンで早めにリスクチェック
- 必要に応じて乳犬歯の抜歯で進路を開ける
- **上あごを広げる装置(急速拡大装置:RME)**でスペースを作ると、7〜8歳ごろは特に効果的とする研究報告がありますj.ajodo.2019.10.026。
10〜12歳(中高生:誘導中心の時期)
- ワイヤーやマウスピース併用で牽引(誘導)
- 歯肉や骨に埋まっている場合は小外科で“ふた”を開けてから動かすこともあります。
13歳以降(成人:外科的併用の検討)
- 外科的牽引+矯正の組み合わせが中心
- 症例によっては犬歯の抜歯を含む全体最適の治療計画を検討することもあります。
研究の要点:RMEは混合歯列の早期(7〜8歳)に最も効果的で、犬歯の角度・位置が改善しやすいというデータがありますj.ajodo.2019.10.026。
症例イメージ(院内実例)
- 11歳:埋伏犬歯を発見 → 牽引して歯列に誘導
- 20歳:成人の埋伏犬歯を外科的牽引+矯正で整列
- 11歳:前歯の歯根吸収を伴い、早期対処で進行を回避
※ここにパノラマ画像/CTスクリーンショット/治療前後写真を配置すると読者の理解と滞在時間が伸び、SEOにも有利です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 乳犬歯が残っているけど、大丈夫?
A. 見た目に問題がなくても、永久犬歯が骨の中で埋まっていることがあります。11歳を過ぎても片側だけ生えないときはチェックがおすすめ。
Q2. 何歳まで様子見していい?
A. 12歳を過ぎても生えない場合は注意。早めの確認が安全です(歯根吸収などのリスク回避のため)。。
Q3. 放置すると本当に危ない?
A. 放置で**隣接歯の歯根吸収(元に戻らないダメージ)**や治療の長期化につながることがありますj.ajodo.2019.10.026。
Q4. 予防できる方法は?
A. 7〜8歳ごろにスペース不足が分かれば、RMEで上あごを広げる方法が有効とする研究がありますj.ajodo.2019.10.026。