
目次
矯正相談で必ず聞かれる質問のひとつが、
「どれくらいで治療が終わりますか?」 です。
ワイヤー矯正は“つけたらすぐ治る”治療ではなく、
4つのステージを順番に進みながら、少しずつ歯が整っていく治療 です。
この4ステージを理解すると
「今どこにいて、次に何が起こるのか」が見え、
治療の全体像がわかりやすくなります。
ここではワイヤー矯正の“進み方”を
できるだけやさしくまとめました。
① レベリング|ガタガタを整える最初のステージ

ここが矯正のスタートです。
レベリングで起こること
- 歯列のガタガタ(叢生)が改善
- 歯の高さがそろい始める
- アーチ(歯列のカーブ)が整う
- 見た目の変化が早く出やすい
よく使われるニッケルチタンワイヤーは柔らかく、
歯に過度な負担をかけず、自然な力で歯が並びます。
最初の1〜2か月で変化を実感しやすい時期です。
ただし、
- 根っこが長い犬歯
- 骨の厚い部分
は動き出しが遅いことがあります。
② クロージング|抜歯スペースを閉じる治療の中心
抜歯症例では、ここが治療の“山場”です。
クロージングで起こること
- 抜歯スペースを閉じる
- 前歯の角度(トルク)を整える
- 横顔のバランスが変わってくる
ただ、このステージは変化が見えにくく、
「進んでるのか分からない…」 と感じやすいのも特徴。
さらに、スペースが閉じてくると
噛み合わせが深くなる現象 が起こります。
(→ここがクロージングの最大の注意ポイントで、別記事で詳しく説明します)
③ ディテーリング|噛み合わせを仕上げるステージ
見た目の大きな変化は少なくなりますが、
治療の質が最も決まるステージ です。
● ディテーリングの目的
- 噛み合わせの細かいズレを整える
- 左右のバランスを微調整
- 前歯の角度(トルク)を揃える
- 長期的に安定する位置へ歯を誘導する
「あと少し」の期間が長く感じられますが、
ここを丁寧に仕上げることで
④ リテンション|動いた歯を守るステージ
実は、治療後にいちばん大切なのがこのフェーズ。
● リテーナーの役割
-
動いた歯が戻るのを防ぐ
-
骨(歯周組織)が安定するまでサポート
-
特に“治療後3〜6ヶ月”が重要
矯正は「動かす治療」だけでなく、
“動いた位置を守る治療”でもあるんです。
⑤ DM(デンタルモニタリング)で4ステージが“見える”時代に
ワイヤー矯正の弱点は 変化が分かりにくいこと。
でも DMを使えば全部スマホで見える化できます。
● DMで分かること
-
レベリングの動き
-
抜歯スペースの閉じぐあい
-
犬歯が動き出すタイミング
-
ワイヤーの浮き
-
左右差
-
リテーナーのフィット
-
後戻りの初期サイン
「順調に進んでますよ」という言葉が
**データとして“自分の目で確認できる”**のがDMの強み。
まとめ|ステージを知ると矯正が分かりやすくなる
ワイヤー矯正は
レベリング → クロージング → ディテーリング → リテンション
というステージで進んでいきます。
ステージを知るだけで、
「今どこを治してるのか?」が理解しやすくなります。