初診カウンセリング

【奈良の矯正歯科医が解説】矯正中の食事で気をつけること|食べていいもの・避けたいもの一覧

氏井庸介

氏井矯正歯科クリニック
院長 氏井庸介

DOCTOR PROFILE

2026.03.11
「矯正中って何が食べられるんですか?」——カウンセリングで必ずと言っていいほど聞かれる質問です。

結論から言うと、矯正中も日常の食事の8〜9割はそのまま食べられます

「食事制限がつらそうだから矯正に踏み切れない」という方は多いのですが、実際に始めてみると「思ったより普通だった」とおっしゃる方がほとんどです。本記事では、奈良の矯正歯科医・氏井矯正歯科クリニック院長 氏井庸介が、本当に気をつけるべきポイントだけを正直にお伝えします。

1. まず安心してほしい——食べられるものの方が圧倒的に多い

「矯正中の食事」と検索すると、避けるべきものばかり書かれた記事が多いですが、まず知ってほしいのは「食べられるもの」の多さです。

問題なし 矯正中も普通に食べてOKなもの
  • ごはん、パン、麺類(主食は全般OK)
  • お肉、お魚(一口サイズに切れば問題なし)
  • 卵料理全般(オムレツ、卵焼き、茶碗蒸しなど)
  • 豆腐、納豆
  • 煮物、シチュー、カレー(柔らかく煮込んだもの全般)
  • ヨーグルト、プリン、ゼリー
  • バナナ、いちご、みかんなどの柔らかい果物
  • スープ、味噌汁
普段の食事のほとんどはそのまま楽しめます。「あれもダメ、これもダメ」ではなく、気をつけるのは次のセクションで紹介する3つだけです。

2. 気をつけるのはこの3つだけ

ワイヤー矯正で気をつけるべき食べ物は、大きく3つに分けられます。「絶対ダメ」ではなく、「ちょっとだけ工夫する」くらいの感覚です。

工夫が必要 硬いもの — 装置が外れる原因になる
  • 氷をガリガリ噛む(装置破損の最多原因の一つ)
  • 硬いせんべい、硬いナッツ類(前歯で噛むのがNG)
  • りんごの丸かじり、とうもろこしの丸かじり

→ 小さく切って奥歯で噛めばOK。「かぶりつく」だけ避ければ大丈夫です。

工夫が必要 粘着性のもの — ワイヤーに絡まる・装置が外れる
  • キャラメル、ハイチュウ、ヌガー
  • おもち(特に焼き餅が装置に絡みやすい)
  • ガム(装置に張り付いて取れにくい)

→ 頻度を減らすか、小さくして食べれば問題ありません。

食後の歯磨きを丁寧に 繊維質・挟まりやすいもの
  • えのき、ほうれん草、ニラ(ワイヤーに絡まりやすい)
  • ひき肉(装置の隙間に入り込みやすい)
  • パンの耳、ビーフジャーキー(繊維が引っかかる)

→ 食べること自体はOK。食後にしっかりブラッシングすれば問題ありません。

ℹ️ 「避けた方がいい」は「絶対に食べてはいけない」ではありません。硬いものは小さく切る、粘着性のものは頻度を減らすなど、ちょっとした工夫で楽しめます。矯正を始めた患者さんの多くは「最初だけ気を使ったけど、すぐ慣れた」とおっしゃいます。

3. ワイヤー矯正とマウスピース矯正で違いはある?

装置の種類によって食事の注意点は異なります。

ワイヤー矯正 マウスピース矯正
食事中の装置 つけたまま食べる 外して食べる
食べ物の制限 硬い・粘着性のものに注意 制限なし
食後のケア 装置の間の食べかすを丁寧に除去 歯磨き後にマウスピースを再装着
飲み物 特に制限なし 装着中は水のみ

マウスピース矯正は食事のときに外せるため、食べ物自体の制限はほぼありません。ただし、守るべきルールがあります。

マウスピース矯正で守るべき3つのルール

1. 食事のときは必ず外す
つけたまま食べるとマウスピースが変形・破損します。

2. 飲み物は「水」以外つけたまま飲まない
コーヒーやジュースは着色や虫歯の原因になります。

3. 食後は歯磨きしてから再装着
食べかすが残ったまま戻すと虫歯・歯周病のリスクが上がります。

ℹ️ マウスピース矯正は1日20〜22時間の装着が必要です。食事のたびに外す→歯磨き→再装着の習慣をつけることが治療成功のポイントです。

4. 装置が外れやすいのは、圧倒的に「下の奥歯」です

矯正中に装置(ブラケット)が外れることは、実はそれほど珍しくありません。では、どこが一番外れやすいか?

答え:圧倒的に下の奥歯

下の奥歯は食べ物を噛み砕く場所です。どんなに気をつけていても、食事のたびに強い力がかかるため、ブラケットが外れやすいのです。

特に硬いものを奥歯でガリッと噛んだとき、前歯ではなく下の奥歯の装置が外れるケースが最も多いです。

矯正中に下の奥歯のブラケットが外れた状態の口腔内写真|奈良の矯正歯科

外れたらどうすればいい?

慌てなくて大丈夫です。外れたブラケットは捨てずに保管し、クリニックに連絡してください。1〜2日で治療に大きな影響が出ることはありません。

ワイヤーが頬や舌に当たって痛い場合は、お渡ししているワックス(透明の粘土のようなもの)を痛い部分に貼ると楽になります。


5. 裏側矯正(リンガル)は繊維質の食べ物に注意

裏側(リンガル)矯正は、装置が歯の裏側についています。表側の装置とは異なり、舌側に装置があるため、繊維質の食べ物が絡まりやすいという特徴があります。

リンガル矯正装置に食物繊維が絡まった状態の写真|奈良の矯正歯科
リンガル矯正は特に注意 裏側装置に絡まりやすい食べ物
  • えのき(細い繊維がワイヤーに巻きつく)
  • ニラ、ほうれん草(長い繊維が装置に引っかかる)
  • もやし(同様に絡まりやすい)
  • 海苔(装置の細部に張り付きやすい)

→ 食べること自体は問題ありません。食後に舌で確認して、歯磨きを丁寧にすれば大丈夫です。

表側の装置でも繊維質は多少絡みますが、見えるので自分で気づきやすい。リンガルは見えない分、食後のケアを意識的にするのがポイントです。


6. 調整直後の2〜3日だけ、柔らかいものを意識する

ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも、調整直後の2〜3日は歯が動く痛み(圧痛)が出ることがあります。永遠に続くものではなく、数日で慣れます。

おすすめ 調整直後でも食べやすいメニュー
  • おかゆ、雑炊、リゾット
  • うどん(柔らかめに茹でる)
  • スープ・ポタージュ
  • 豆腐料理(冷奴、湯豆腐、麻婆豆腐)
  • 卵料理(茶碗蒸し、スクランブルエッグ)
  • ヨーグルト、プリン、バナナ
調整当日〜翌日
痛みのピーク。柔らかいものを中心に。無理に噛まなくて大丈夫です。
2〜3日目
徐々に痛みが和らぐ。少しずつ普通の食事に戻していきます。
7日目以降
ほとんどの方は通常の食事に戻れます。

7. 矯正中の歯磨き——私たちがサポートします

矯正中に最も大切なのは、食べ物の選び方よりも食後の歯磨きです。装置の周りに食べかすが残ると虫歯や歯肉炎の原因になります。

「装置がついた状態でちゃんと磨けるか不安」という声をよくいただきますが、ご安心ください。

タフトブラシで矯正装置周りを磨いている写真|奈良の矯正歯科
  • タフトブラシで装置の周りを重点的に磨く
  • 歯間ブラシでワイヤーの下もケア
  • フッ素入り歯磨き粉で歯質を強化
  • 外出先でも携帯用歯ブラシを持ち歩く
  • 甘い飲み物(ジュース、スポーツドリンク)はだらだら飲まない
当院の歯磨きサポート体制

当院では矯正治療中の患者さん全員に、担当の歯科衛生士がブラッシング指導を行っています。装置の種類に合わせた磨き方を、実際にお口の中で一緒に練習します。

治療中に「ここが磨きにくい」「装置の周りに汚れが溜まる」といったお悩みが出てきたときも、来院のたびにチェックしてアドバイスします。一人で完璧に磨く必要はありません。私たちが治療完了までずっとサポートします。


矯正歯科医からのメッセージ

院長 氏井庸介
院長 氏井 庸介|矯正歯科医

「食事が大変そうだから矯正はやめておこう」——そう思っている方に伝えたいのは、それはもったいないということです。実際に治療を始めた患者さんのほとんどが「最初の1〜2週間だけ気を使ったけど、すぐ慣れた」とおっしゃいます。食事の不安で矯正をためらっているなら、まずはカウンセリングでお話を聞かせてください。装置の選び方も含めて、あなたの生活に合った治療プランをご提案します。


よくあるご質問

矯正中にお酒は飲めますか?
ワイヤー矯正ではお酒の制限はありません。マウスピース矯正の場合は、マウスピースを外してから飲んでください。ビールやワインはマウスピースの着色や変形の原因になります。
カレーを食べるとゴムが着色しますか?
カラーゴム(結紮用のゴム)はカレーやコーヒーで着色します。ただし、ゴムは毎回の調整で交換しますので、気になる方は調整の前日にカレーを楽しむという方もいらっしゃいます。当院のクリッピー(セルフライゲーション)はゴムを使わないタイプなので、着色の心配が少ないのも特徴です。
外食やデートのときはどうすればいいですか?
外食はもちろんOKです。ワイヤー矯正の方は、前歯でかぶりつくメニュー(骨付き肉、りんご等)を避ければ問題ありません。マウスピース矯正の方は外して食事し、お手洗いで歯磨き→再装着すれば大丈夫です。携帯用歯ブラシを持ち歩く習慣をつけると安心です。
子どもの矯正でも食事制限は同じですか?
基本的な注意点は同じです。ただし、お子さんは硬いお菓子(飴をガリガリ噛む等)で装置を壊しやすい傾向があります。保護者の方にも注意点をお伝えし、お子さんが自然に気をつけられるようサポートしています。

矯正治療の食事について、もう少し詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

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