初診カウンセリング

【奈良の矯正歯科医が解説】矯正で歯はどれくらいで動く?治療開始から約1年後の歯並びを13症例で比較

氏井庸介

氏井矯正歯科クリニック
院長 氏井庸介

DOCTOR PROFILE

2026.07.27

「1年後に結婚式があるのですが、それまでにどれくらい歯並びは変わりますか?」

「半年後に前撮りがあります。ガタガタは目立たなくなりますか?」

「抜歯したあとの隙間は、どれくらいで閉じますか?」

初診相談では、このような歯の動きに関するご質問をよくいただきます。

矯正治療全体の期間は、当院では平均すると約2年3ヶ月です。ただ、患者様が本当に知りたいのは、治療が終わるまでの期間だけではなく、「半年後や1年後に、見た目がどこまで変わっているのか」ではないでしょうか。

そこでこの記事では、完成後ではなく「治療開始から約1年後」に焦点を当て、当院の症例集から約1年時点の写真が残っている13症例を集めて、治療前と比較します。

先に結論をお伝えします

今回ご紹介する症例を見ると、前歯のガタガタや八重歯は、治療開始から半年〜1年ほどで見た目が大きく変わっているケースがあります。

ただし、歯がきれいに並んで見えても、抜歯した隙間が残っていたり、噛み合わせの調整が続いていたりすることがあります。

まずは1症例を、治療前・3ヶ月・6ヶ月・9ヶ月・12ヶ月の順に見てみましょう。

掲載しているのは、当院で治療を受けられた個々の患者様の記録です。歯の動き方には個人差があり、同じ1年でも到達する状態は一人ひとり異なります。治療結果を保証するものではなく、13症例から平均や統計を示すものでもありません。

まず1症例を、3ヶ月ごとに追ってみます

症例No.40は、治療開始3ヶ月・6ヶ月・9ヶ月・12ヶ月の記録が残っている症例です。1症例を細かく追うと、歯が動くペースが一定ではないことが分かります。

19歳・女性・奈良市。主訴は「八重歯とガタガタの改善」、診断名は骨格性下顎前突を伴う叢生。上下4本の抜歯を行った症例です。

症例No.40 治療前
治療前
症例No.40 治療開始から3ヶ月後
3ヶ月時点
症例No.40 治療開始から6ヶ月後
6ヶ月時点
症例No.40 治療開始から9ヶ月後
9ヶ月時点
症例No.40 治療開始から12ヶ月後
12ヶ月時点

3ヶ月の時点では、写真で分かるほどの変化はまだ現れていません。6ヶ月で前歯が並び始め、12ヶ月では重なりが解消しています。ただし抜歯したスペースは残っており、この後も閉じる動きが続きました。

診断名骨格性下顎前突を伴う叢生
治療方法表側からの矯正装置/上下4本の抜歯
写真の撮影時期治療前・治療開始3ヶ月・6ヶ月・9ヶ月・12ヶ月時点
最終的な治療期間1年8ヶ月(通院は月1回程度)
治療費(治療当時)精密検査・診断 55,000円 / 矯正料金 840,000円 / 毎回の処置料 3,300円(すべて税込・自由診療/保険適用外)
その後改定しているため、現在の費用は料金ページをご確認ください。
主なリスク・副作用歯根吸収・歯肉退縮ほか記事末尾のリスク・副作用をご確認ください

治療結果には個人差があります。同じ治療方法・同じ期間でも到達する状態は一人ひとり異なります。

ほかの12症例の約1年後

ここからは、症例No.40以外の12症例について、治療前と約1年時点の写真を並べます。最終的な治療期間が短かった症例から順に掲載しています。各症例の見出しをクリックすると、治療後の状態を含む症例ページに移動します。

症例No.31|骨歯槽性上顎前突(17歳・女性・奈良市)

主訴は「右上前歯2本が気になる」。治療前と、治療開始10ヶ月時点の記録を並べています。

症例No.31 治療前の口腔内写真
症例No.31 治療開始10ヶ月時点の口腔内写真
10ヶ月時点治療前

治療前から歯の重なりは大きくありませんでしたが、前歯が前に出ている状態でした。10ヶ月時点では上下の歯列が整い、前歯の位置も変わってきています。正面からは変化が分かりにくいタイプの症例です。

診断名骨歯槽性上顎前突
治療方法白い表側矯正装置/非抜歯
写真の撮影時期治療前・治療開始10ヶ月時点
最終的な治療期間1年(通院は月1回程度)
治療費(治療当時)精密検査・診断 55,000円 / 矯正料金 840,000円 / 毎回の処置料 3,300円(すべて税込・自由診療/保険適用外)
その後改定しているため、現在の費用は料金ページをご確認ください。
主なリスク・副作用歯根吸収・歯肉退縮ほか記事末尾のリスク・副作用をご確認ください

治療結果には個人差があります。同じ治療方法・同じ期間でも到達する状態は一人ひとり異なります。

症例No.39|歯槽性上下顎前突を伴う叢生(19歳・女性・奈良市)

主訴は「出っ歯とガタガタの改善」。治療前と、治療開始8ヶ月時点の記録を並べています。

症例No.39 治療前の口腔内写真
症例No.39 治療開始8ヶ月時点の口腔内写真
8ヶ月時点治療前

治療前は犬歯が歯列の外に大きく飛び出していました。8ヶ月時点で、その重なりはほぼ解消しています。一方で抜歯したスペースは犬歯の後ろに残っており、この後も隙間を閉じる治療を続けました。

診断名歯槽性上下顎前突を伴う叢生
治療方法表側からの矯正装置/上下4本
写真の撮影時期治療前・治療開始8ヶ月時点
最終的な治療期間1年2ヶ月(通院は月1回程度)
治療費(治療当時)精密検査・診断 55,000円 / 矯正料金 840,000円 / 毎回の処置料 3,300円(すべて税込・自由診療/保険適用外)
その後改定しているため、現在の費用は料金ページをご確認ください。
主なリスク・副作用歯根吸収・歯肉退縮ほか記事末尾のリスク・副作用をご確認ください

治療結果には個人差があります。同じ治療方法・同じ期間でも到達する状態は一人ひとり異なります。

症例No.18|叢生(19歳・女性・奈良市)

主訴は「上の前歯のガタガタ」。治療前と、治療開始12ヶ月時点の記録を並べています。

症例No.18 治療前の口腔内写真
症例No.18 治療開始12ヶ月時点の口腔内写真
12ヶ月時点治療前

治療前は上の前歯に軽度の重なりがありました。12ヶ月時点では重なりが解消し、上下の歯列が整っています。マウスピース型矯正治療のため、装置を外した状態の見た目がそのまま確認できます。

診断名叢生
治療方法マウスピース型矯正装置/非抜歯
写真の撮影時期治療前・治療開始12ヶ月時点
最終的な治療期間1年4ヶ月(通院は月1回程度)
治療費(治療当時)精密検査・診断 55,000円 / 矯正料金 940,000円 / 毎回の処置料 3,300円(すべて税込・自由診療/保険適用外)
その後改定しているため、現在の費用は料金ページをご確認ください。
主なリスク・副作用歯根吸収・歯肉退縮ほか記事末尾のリスク・副作用をご確認ください

治療結果には個人差があります。同じ治療方法・同じ期間でも到達する状態は一人ひとり異なります。

症例No.19|叢生(12歳・女性・奈良市)

主訴は「八重歯」。治療前と、治療開始12ヶ月時点の記録を並べています。

症例No.19 治療前の口腔内写真
症例No.19 治療開始12ヶ月時点の口腔内写真
12ヶ月時点治療前

治療前は犬歯が歯列の外に飛び出した、いわゆる八重歯の状態でした。12ヶ月時点では犬歯が歯列の中に入ってきています。前歯のあいだの隙間は乱れではなく、犬歯を納めるスペースをつくっている途中の状態です。

診断名叢生
治療方法白い表側からの矯正装置/非抜歯
写真の撮影時期治療前・治療開始12ヶ月時点
最終的な治療期間1年10ヶ月(通院は月1回程度)
治療費(治療当時)精密検査・診断 55,000円 / 矯正料金 840,000円 / 毎回の処置料 3,300円(すべて税込・自由診療/保険適用外)
その後改定しているため、現在の費用は料金ページをご確認ください。
主なリスク・副作用歯根吸収・歯肉退縮ほか記事末尾のリスク・副作用をご確認ください

治療結果には個人差があります。同じ治療方法・同じ期間でも到達する状態は一人ひとり異なります。

症例No.14|叢生(22歳・女性・木津川市)

主訴は「ガタガタ」。治療前と、治療開始12ヶ月時点の記録を並べています。

症例No.14 治療前の口腔内写真
症例No.14 治療開始12ヶ月時点の口腔内写真
12ヶ月時点治療前

治療前は前歯に重なりがありました。12ヶ月時点では歯列が整い、目立つ隙間もない状態です。歯を抜かずに奥歯を後方へ動かしてスペースをつくる方針のため、見た目が整ってからも動かす時間が必要になります。

診断名叢生
治療方法白い表側矯正装置/非抜歯
写真の撮影時期治療前・治療開始12ヶ月時点
最終的な治療期間1年10ヶ月(通院は月1回程度)
治療費(治療当時)精密検査・診断 55,000円 / 矯正料金 840,000円 / 毎回の処置料 3,300円(すべて税込・自由診療/保険適用外)
その後改定しているため、現在の費用は料金ページをご確認ください。
主なリスク・副作用歯根吸収・歯肉退縮ほか記事末尾のリスク・副作用をご確認ください

治療結果には個人差があります。同じ治療方法・同じ期間でも到達する状態は一人ひとり異なります。

症例No.6|叢生(16歳・女性・大和郡山市)

主訴は「ガタガタ」。治療前と、治療開始12ヶ月時点の記録を並べています。

症例No.6 治療前の口腔内写真
症例No.6 治療開始12ヶ月時点の口腔内写真
12ヶ月時点治療前

治療前は前歯の重なりが強く、噛み合わせも深い状態でした。12ヶ月時点では前歯が歯列に並んでいます。抜歯したスペースは犬歯の後ろに残っており、噛み合わせの深さの改善も並行して進めました。

診断名叢生
治療方法白い表側矯正装置/上下合わせて4本の抜歯
写真の撮影時期治療前・治療開始12ヶ月時点
最終的な治療期間1年11ヶ月(通院は月1回程度)
治療費(治療当時)精密検査・診断 55,000円 / 矯正料金 840,000円 / 毎回の処置料 3,300円(すべて税込・自由診療/保険適用外)
その後改定しているため、現在の費用は料金ページをご確認ください。
主なリスク・副作用歯根吸収・歯肉退縮ほか記事末尾のリスク・副作用をご確認ください

治療結果には個人差があります。同じ治療方法・同じ期間でも到達する状態は一人ひとり異なります。

症例No.17|右下1欠損を伴う上顎前突(26歳・女性・木津川市)

主訴は「上の前歯のガタガタ」。治療前と、治療開始12ヶ月時点の記録を並べています。

症例No.17 治療前の口腔内写真
症例No.17 治療開始12ヶ月時点の口腔内写真
12ヶ月時点治療前

治療前は上の前歯に重なりがありました。12ヶ月時点では歯列が整っています。マウスピース型矯正治療ですが、動かしにくい部分には奥歯側の固定源を併用しています。

診断名右下1欠損を伴う上顎前突
治療方法マウスピース型矯正装置/非抜歯
写真の撮影時期治療前・治療開始12ヶ月時点
最終的な治療期間2年(通院は月1回程度)
治療費(治療当時)精密検査・診断 55,000円 / 矯正料金 940,000円 / 毎回の処置料 3,300円(すべて税込・自由診療/保険適用外)
その後改定しているため、現在の費用は料金ページをご確認ください。
主なリスク・副作用歯根吸収・歯肉退縮ほか記事末尾のリスク・副作用をご確認ください

治療結果には個人差があります。同じ治療方法・同じ期間でも到達する状態は一人ひとり異なります。

症例No.46|過蓋咬合を伴う叢生(18歳・女性・奈良市)

主訴は「上下のガタガタが気になる」。治療前と、治療開始12ヶ月時点の記録を並べています。

症例No.46 治療前の口腔内写真
症例No.46 治療開始12ヶ月時点の口腔内写真
12ヶ月時点治療前

治療前は前歯の重なりに加えて、噛み合わせが深い状態でした。12ヶ月時点では前歯が歯列に並んでいます。上の犬歯の後ろには抜歯したスペースがはっきり残っており、ここから隙間を閉じる工程が続きます。

診断名過蓋咬合を伴う叢生
治療方法白い表側矯正装置/上顎両側第一小臼歯抜歯
写真の撮影時期治療前・治療開始12ヶ月時点
最終的な治療期間2年6ヶ月(通院は月1回程度)
治療費(治療当時)精密検査・診断 55,000円 / 矯正料金 840,000円 / 毎回の処置料 3,300円(すべて税込・自由診療/保険適用外)
その後改定しているため、現在の費用は料金ページをご確認ください。
主なリスク・副作用歯根吸収・歯肉退縮ほか記事末尾のリスク・副作用をご確認ください

治療結果には個人差があります。同じ治療方法・同じ期間でも到達する状態は一人ひとり異なります。

症例No.5|開咬(23歳・女性・天理市)

主訴は「前歯が噛んでいない」。治療前と、治療開始12ヶ月時点の記録を並べています。

症例No.5 治療前の口腔内写真
症例No.5 治療開始12ヶ月時点の口腔内写真
12ヶ月時点治療前

治療前は、奥歯を噛み合わせても前歯が上下で接触しない状態でした。12ヶ月時点では前歯の縦の隙間が小さくなり、上下が接してきています。この動きには時間がかかるため、治療全体では2年6ヶ月を要しました。

診断名開咬
治療方法白い表側矯正装置/非抜歯
写真の撮影時期治療前・治療開始12ヶ月時点
最終的な治療期間2年6ヶ月(通院は月1回程度)
治療費(治療当時)精密検査・診断 55,000円 / 矯正料金 840,000円 / 毎回の処置料 3,300円(すべて税込・自由診療/保険適用外)
その後改定しているため、現在の費用は料金ページをご確認ください。
主なリスク・副作用歯根吸収・歯肉退縮ほか記事末尾のリスク・副作用をご確認ください

治療結果には個人差があります。同じ治療方法・同じ期間でも到達する状態は一人ひとり異なります。

症例No.49|骨格性下顎前突を伴う叢生(16歳・女性・木津川市)

主訴は「上下の八重歯とガタガタが気になる」。治療前と、治療開始12ヶ月時点の記録を並べています。

症例No.49 治療前の口腔内写真
症例No.49 治療開始12ヶ月時点の口腔内写真
12ヶ月時点治療前

治療前は犬歯が歯列の外に出て、上下ともに重なりが強い状態でした。12ヶ月時点では犬歯が歯列に入り、重なりは解消しています。抜歯したスペースはまだ閉じきっておらず、この後も調整が続きました。

診断名骨格性下顎前突を伴う叢生
治療方法白い表側矯正装置/上下4本 抜歯
写真の撮影時期治療前・治療開始12ヶ月時点
最終的な治療期間2年7ヶ月(通院は月1回程度)
治療費(治療当時)精密検査・診断 55,000円 / 矯正料金 840,000円 / 毎回の処置料 3,300円(すべて税込・自由診療/保険適用外)
その後改定しているため、現在の費用は料金ページをご確認ください。
主なリスク・副作用歯根吸収・歯肉退縮ほか記事末尾のリスク・副作用をご確認ください

治療結果には個人差があります。同じ治療方法・同じ期間でも到達する状態は一人ひとり異なります。

症例No.24|スペース歯列を伴う下顎前突(19歳・女性・天理市)

主訴は「受け口」。治療前と、治療開始14ヶ月時点の記録を並べています。

症例No.24 治療前の口腔内写真
症例No.24 治療開始14ヶ月時点の口腔内写真
14ヶ月時点治療前

治療前は下の前歯が上の前歯より前に出た、いわゆる受け口の状態でした。14ヶ月時点では上下の前歯の位置関係が入れ替わっています。前歯の噛み合わせは変わりましたが、奥歯を含めた調整はこの後も続きました。

診断名スペース歯列を伴う下顎前突
治療方法白い表側からの矯正装置/下2本
写真の撮影時期治療前・治療開始14ヶ月時点
最終的な治療期間2年8ヶ月(通院は月1回程度)
治療費(治療当時)精密検査・診断 55,000円 / 矯正料金 840,000円 / 毎回の処置料 3,300円(すべて税込・自由診療/保険適用外)
その後改定しているため、現在の費用は料金ページをご確認ください。
主なリスク・副作用歯根吸収・歯肉退縮ほか記事末尾のリスク・副作用をご確認ください

治療結果には個人差があります。同じ治療方法・同じ期間でも到達する状態は一人ひとり異なります。

症例No.32|叢生を伴う歯槽性上顎前突(29歳・女性・奈良市)

主訴は「出っ歯とガタガタの改善」。治療前と、治療開始13ヶ月時点の記録を並べています。

症例No.32 治療前の口腔内写真
症例No.32 治療開始13ヶ月時点の口腔内写真
13ヶ月時点治療前

治療前は犬歯が歯列の外に出て、前歯が前方に傾いた状態でした。13ヶ月時点では前歯が歯列に並んでいます。上の犬歯の後ろには抜歯スペースが残っており、13症例の中では最も治療期間が長く、2年11ヶ月を要しました。

診断名叢生を伴う歯槽性上顎前突
治療方法白い表側からの矯正装置/上下4本
写真の撮影時期治療前・治療開始13ヶ月時点
最終的な治療期間2年11ヶ月(通院は月1回程度)
治療費(治療当時)精密検査・診断 55,000円 / 矯正料金 840,000円 / 毎回の処置料 3,300円(すべて税込・自由診療/保険適用外)
その後改定しているため、現在の費用は料金ページをご確認ください。
主なリスク・副作用歯根吸収・歯肉退縮ほか記事末尾のリスク・副作用をご確認ください

治療結果には個人差があります。同じ治療方法・同じ期間でも到達する状態は一人ひとり異なります。

13症例を見て分かったこと

13症例を並べてみると、前歯の重なりは比較的早い段階で解消していく一方で、抜歯したスペースの閉鎖はその後も続いていることが分かります。約1年の時点で「歯が並んでいる」ように見えても、多くの症例では隙間が残っており、そこからさらに時間をかけています。

治療期間が1年で終わった症例と2年11ヶ月かかった症例の差も、前歯が並ぶまでの速さではなく、その後に必要な工程の量によって生じています。歯を抜かずに奥歯を後方へ動かす症例や、開咬・過蓋咬合のように噛み合わせそのものを変える必要がある症例では、見た目が整ってからの工程が長くなります。

また、マウスピース型矯正治療の2症例は装置を外した状態で撮影できるため、1年時点でも装置なしの見た目が確認できます。ワイヤーの症例では装置が写り込みますが、歯の位置の変化は同じように追うことができます。

並んで見えても、治療が終わったわけではありません

症例No.40の12ヶ月時点を見ると、前歯の重なりは解消しています。ただし犬歯の後ろには抜歯した隙間が残っており、この時点ではまだ治療の途中です。

矯正治療では、「歯が並んで見える段階」と「治療が終わる段階」が一致しません。前歯の重なりは比較的早く解消しますが、そこから隙間を閉じ、上下の噛み合わせを合わせていく工程が残ります。この後半の工程が、実は治療期間の多くを占めています。

そのため、約1年時点の写真を見るときは「もう終わりそうに見えるかどうか」ではなく、「治療前と比べてどこが変わったか」という見方をしていただくのが正確です。

13症例の一覧

最後に、今回ご紹介した13症例を一覧にまとめます。公開中の81症例から、治療開始8ヶ月〜14ヶ月の時点の規格写真が残っているものを抽出しました。写真の撮影時期は症例ごとに異なるため、「1年後」とまとめず個別に記載しています。並び順は、最終的な治療期間が短かった症例からです。

症例年齢診断名抜歯装置写真の時期最終的な治療期間
No.3117歳骨歯槽性上顎前突非抜歯白い表側10ヶ月1年
No.3919歳歯槽性上下顎前突を伴う叢生上下4本表側8ヶ月1年2ヶ月
No.1819歳叢生非抜歯マウスピース型12ヶ月1年4ヶ月
No.4019歳骨格性下顎前突を伴う叢生上下4本表側12ヶ月1年8ヶ月
No.1912歳叢生非抜歯白い表側12ヶ月1年10ヶ月
No.1422歳叢生非抜歯白い表側12ヶ月1年10ヶ月
No.616歳叢生上下合わせて4本の抜歯白い表側12ヶ月1年11ヶ月
No.1726歳右下1欠損を伴う上顎前突非抜歯マウスピース型12ヶ月2年
No.4618歳過蓋咬合を伴う叢生上顎両側第一小臼歯抜歯白い表側12ヶ月2年6ヶ月
No.523歳開咬非抜歯白い表側12ヶ月2年6ヶ月
No.4916歳骨格性下顎前突を伴う叢生上下4本 抜歯白い表側12ヶ月2年7ヶ月
No.2419歳スペース歯列を伴う下顎前突下2本白い表側14ヶ月2年8ヶ月
No.3229歳叢生を伴う歯槽性上顎前突上下4本白い表側13ヶ月2年11ヶ月

治療期間の差は、後半の調整に出ます

当院で治療を終えた335症例のデータでは、平均は約2年3ヶ月でした。装置別・抜歯別の内訳は次のとおりです。

分類症例数平均最短最長
ワイヤー矯正282例2年3ヶ月10ヶ月4年5ヶ月
マウスピース型矯正治療53例2年2ヶ月10ヶ月4年2ヶ月
抜歯あり251例2年3ヶ月11ヶ月4年5ヶ月
非抜歯84例2年0ヶ月10ヶ月4年2ヶ月

装置による差はほとんどありません。ワイヤー矯正もマウスピース型矯正治療も、歯に力をかけて動かす原理は同じだからです。今回の13症例にマウスピース型矯正治療を2症例含めているのも、装置が違っても経過の見え方が大きく変わらないためです。

抜歯ありと非抜歯の差は平均で約3ヶ月でした。抜いたスペースを閉じる分だけ移動量が増えるためですが、抜歯をしても11ヶ月で終了した方もいます。抜歯が必要かどうかは、期間ではなく噛み合わせと横顔のバランスで判断するものです。

治療期間についてさらに詳しくは、当院335症例の実データをまとめた記事で解説しています。

装置が外れたあとも保定期間があります

矯正装置が外れた日がゴールではありません。歯は元の位置に戻ろうとするため、リテーナー(保定装置)を使って歯並びを安定させる保定期間が約2年間続きます。1年後の状態から装置が外れるまで、そしてそのあとの保定まで含めて計画を立てます。

それぞれの症例の仕上がった状態は、症例集の各ページでご覧いただけます。

治療に伴うリスク・副作用

矯正治療を受けるにあたって、以下の点をご理解ください。

  • 本記事で紹介している経過は個々の患者様の記録であり、同様の結果を保証するものではありません。歯の動き方には個人差があります。
  • 治療期間は当初の見込みより延びることがあります。
  • 装置装着後や調整後に、数日から1週間程度の痛みや違和感が生じることがあります。当院では必要に応じて痛み止めをお渡ししています。
  • 歯を動かすことで、歯根が短くなる(歯根吸収)ことがあります。
  • 歯ぐきが下がる(歯肉退縮)ことがあります。
  • 歯の神経が失活する(歯髄壊死)ことがあります。
  • 歯と骨が癒着している場合、予期せぬ歯の動きが生じることがあります。
  • 装置がつくことで歯磨きが難しくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
  • 治療後に歯が元に戻ろうとする(後戻り)ため、保定装置の使用が必要です。
  • 使用する金属によってアレルギー症状が出ることがあります。
  • 矯正治療は自由診療であり、健康保険は適用されません(顎変形症など一部の例外を除きます)。

現在の費用

各症例に記載している金額は、その患者様が治療を受けられた当時の費用です。その後費用を改定しているため、現在の金額とは異なります。現在の費用は次のとおりです。

項目費用(税込)
初診相談無料
初診相談+簡易診断4,400円
精密検査16,500円
3Dデジタル診断38,500円
表側矯正(クリアブラケット)83万円〜93万円
マウスピース型矯正治療89万円〜99万円
裏側矯正114万円〜124万円
調整料4,400円/回(裏側矯正は6,600円/回)

お支払いは一括払いのほか、48回・60回・84回などの分割払いに対応しています。現金、銀行振込、クレジットカード、デンタルローンがご利用いただけます。

よくある質問

矯正治療を始めて1年で、歯並びはどこまで変わりますか?

歯並びの状態によって異なります。氏井矯正歯科クリニックの症例集に掲載している症例のうち、治療開始から約1年時点の記録が残っている13症例を見ると、いずれも治療前とは異なる状態になっていますが、到達している段階は症例ごとに違います。ご自身の見通しは、精密検査を行ったうえでの診断でお伝えします。

矯正を始めてすぐに歯は動きますか?

動き始めてはいますが、見た目の変化として分かるまでには時間がかかります。症例No.40では治療開始3ヶ月時点の記録がありますが、この時点では大きな変化は確認できません。装置を装着した直後から歯が並んでいくわけではないため、開始からしばらくは変化を実感しにくい期間が続きます。

1年で歯並びが整って見えたら、治療は終わりですか?

終わりではありません。前歯の並びが整って見えても、抜歯した隙間が残っていたり、上下の噛み合わせの調整が続いていたりする段階があります。見た目が整うことと、噛み合わせが完成することは別のためです。

抜歯をすると治療期間は長くなりますか?

平均では長くなる傾向があります。当院で治療を終えた335症例のデータでは、抜歯ありが平均2年3ヶ月、非抜歯が平均2年0ヶ月で、その差は約3ヶ月でした。ただし個人差が大きく、抜歯をしても11ヶ月で終了した方もいます。抜歯が必要かどうかは期間ではなく、噛み合わせと横顔のバランスで判断します。

マウスピース矯正はワイヤー矯正より早く終わりますか?

当院のデータでは大きな差はありません。335症例ではワイヤー矯正が平均2年3ヶ月、マウスピース型矯正治療が平均2年2ヶ月でした。どちらも歯に力をかけて動かす原理は同じです。期間の違いは装置の種類ではなく、歯を動かす量や噛み合わせの複雑さによって生じます。

途中で歯並びが悪くなったように見えることはありますか?

一時的にそう見えることがあります。歯を並べるためのスペースをつくる段階や、抜歯したスペースを閉じていく段階では、隙間が空いた状態になります。本記事の経過写真でも治療中に隙間が確認できるものがありますが、これは計画された動きの途中経過です。

装置が外れたら治療は終わりですか?

終わりではありません。歯は元の位置に戻ろうとするため、装置を外したあとはリテーナー(保定装置)を使用する保定期間が約2年間続きます。保定を行わないと後戻りのリスクがあります。

氏井矯正歯科クリニック 院長 氏井庸介

初診相談で「歯はどれくらいで動きますか」とご質問をいただいたとき、私はこれまで平均の治療期間をお答えしてきました。ただ、その数字だけでは、これから始める方がご自身の1年後を思い描くのは難しいと思います。

今回13症例を並べてみて、同じ1年でも到達している段階はかなり違うことがあらためて分かりました。8ヶ月で歯列がほぼ整っている方もいれば、1年たってもまだスペースを閉じている最中の方もいます。どちらが良い悪いということではなく、その方の状態に応じて必要な順序と工程があるということです。

ひとつお伝えしておきたいのは、並んで見えることと、治療が終わることは違うということです。今回の写真でも、前歯がきれいに並んで見える段階でまだ隙間が残っている症例がいくつもあります。ここから噛み合わせを合わせていく期間が、実は治療の後半を占めています。

ご自身の場合にどのように進むのかは、精密検査を行ったうえでの診断でお伝えします。経過の写真は診療のたびに記録していますので、治療中もご自身の変化を確認していただけます。

氏井矯正歯科クリニック 院長 氏井庸介

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